私情つうしん 第6号 1996年4月発行
Susan

これでいいのだ

華麗なる転身編

by 萩原SUSAN陽子

 また、やっちまいました。
 '95年9月中旬まで、私は愉快で楽しい公立中学英語教師をしていた(編集部注:「これでいいのだ−−千葉県教育界のっとり編」は#2に掲載。夏にモンゴルの乗馬ツアーに参加し、当地で神の啓示を受けた。それほどモンゴルの空は青く、透明に天へとつながっていたのだ。これ以上、人工建築物の中に閉じ込められ、コセコセ働くのはごめんだ。私は風のわたる大地に還る!
 こんな形で登校拒否が再発したので、またしてもメンタルクリニック送りとなってしまった。鬱病はこのように、治ってからも3カ月、半年、そして1年と危い節目があり、経過観察が必要なのだ。教師の場合、長期休暇明けが危い。あまりにマニュアル通りコケた自分が恥ずかしー。
 内面の声に耳を傾けると、8−19時の堅い仕事はもう、コリゴリなんだそうだ。しかしそれなら、大抵の仕事は不適となってしまう。つまり、私という人間は、現代社会に正真正銘、不適合な人格ということになってしまうのだ。存在悪、或いはただ食って出して(ナニを)呼吸して寝るだけの家畜に返り咲いてしまった。
 さすがに二度目だけあって、しかし回復も早かった。抗鬱剤が功を奏し、将来について前向きに考えられるようになった。薬は馬鹿にするものではない。私は絵が好きなのでイラストレーターか、語学力を生かした翻訳家を考えてみた。在宅でできるからだ。同時に声優・タレント向けのオーディションも受けてみた。好きな時間を使って稼ぐ、という文句が気に入ったのだ。
 これが大当たり!! オーディションに合格し、事務所のレッスンに出てからは、例のSUSANパワー大炸裂!!! 先輩方を蹴散らし、並居るライバルを感嘆させ、ここほんの2カ月ばかりで、すっかり事務所の顔になってしまった!!! すまし顔なら抜群のスタイルも併せてモデルで通り、口を開けばマルチタレント顔負けの口八丁手八丁で司会・レポーター・DJ等をこなし、演技をさせれば本物の涙を流し大笑いや底抜けの笑顔も見せる。どのレッスンの先生も、必ず一発で私に一目置いた。私は自分を精神分裂症だと思っている。だからどんな演技でもできる。どんなことをさせられても、恥ずかしくないし怖くない。もう、失うものはないのだから。
 好きな人ができた。家同士のつき合いで知り合った(良家同士の縁組って奴ですか)。日頃の修行が功を奏し、彼はよく笑ってくれる。素人だから作り笑いでなく、心から。この人、この笑顔をいつまでも見ていたい。同時に彼は、私の原点を思い出させてくれた。私は人が好きだ。会う人すべてを笑わせたい、幸せにしたい。その想いが強過ぎて、今迄教師としてはやり過ぎの部分があって、自分の中でバランスを崩していたのではないか?
 ハワイで一週間、元フィギュアスケーターの渡部絵美さんとプロゴルファーについてもらってゴルフを習う仕事が入った。やはり、神は存在する。私は、これからも内なる声に忠実に、芸能街道を驀進する。容姿端麗、頭脳明晰、語学堪能(英・ポルトガル・独・中・伊・西・韓・モンゴル語等)、武芸(合氣道・中國拳法・ヌンチャク等)に秀でたSUSANを、今後もよろしく・