私情つうしん 第2号 1995年8月発行

巻頭言

 先日、ジェトロ主催のInternational Educators to Japanプログラムの一環で、学生および社会人の帰国子女と英・米・加の現地校で日本人の子どもたちを教えている方々などが集い、懇談会が開かれました。この会で司会を担当した一人がF氏で、「『私情つうしん』に書いたことを早速使ったよ」と報告してくれました。会は終始英語で進行したそうですが、F氏は冒頭で、「帰国子女のことをrepatriated childrenと呼ぼう」と言ったのだとのことでした。そうです。『私情つうしん』創刊号の「OとFとの往復書簡」で、returneeに代わる英訳としてあげていることばです。参加者の方々も違和感なくこのことばを受けとめ、その後のディスカッションでも使用していたそうです。returneeとre-paptriated childrenの意味の違いについては同欄で触れているとおりですが、これを機に海外でrepatriated childrenということばが認知され、市民権を得るようになれば、『私情つうしん』が世界に向けてメッセージを「つうしん」できたことになる……と、思わず希望の笑みがこぼれました。
 さて、第二号は質・量ともに読みごたえのあるものになったと自負しています。カゲキな発言も本音ならではのもの。「パラダイムの逆立ち」の後半は帰国子女の範疇を超え、社会的生活を営む人々すべてに当てはめて考えることのできる<適応ストラテジー>についての話ですが、私はそれに<互恵主義的>ということばをつけ足したいと思います。
 ところで、創刊号を送らせていただいた方々から続々と嬉しい反響が集まってきています。今号の萩原SUSAN陽子さんの記事も、お寄せくださったうちの一つです。皆さんから温かいご支援の声をいただいた喜びを分かち合おうと思い、「応援席」という欄を設けました。今後もどんどん「応援席」の声を響きわたらせていただきたいと思います。読者の皆さん、皆さんは『私情つうしん』の参加者でもあるのです! 本誌を通じて、あなたの「私情」を他の読者の感動に、ぜひ変えてみてください。>

by 森田美樹