私情つうしん 第17号 1998年8月発行
山田良子
私は在日韓国人で26歳、女です。
自分自身が日本生まれの日本育ちの外人なので帰国子女の方達の事について少し興味がありました。失礼ですけど一般的に帰国子女の方達って自慢しているとか言われてますよね。私はその事について「早く日本人の英語に対するコンプレックスが無くなれば良いな」と思っています。確かに自慢する一部の人達もいるのは確かですが。人に中傷されたりするのはとても悲しい事と思います。みんなうらやましがっているけど大変なんですね。
でも私は帰国子女の方達って幸せだと思うんですよ。というのも私の母方の親戚はほとんど米国に移民して長いんですけどみんな韓国での生活が苦しく、出来れば韓国にすんでいたかったけれども移民するしか道がなかったといった感じなんです。英語がほとんど話せない叔父に叔母、そして祖父母を思うと可哀相で涙が出てきます。私も彼らと一緒にしばらくアメリカに住んでいました(成人した後です)。おじや叔母は私のいとこ達からどうして移民しなければいけなかったのかとたまに責められる事もあるそうです。いとこ達の第一言語は韓国語なんですけどもう難しい事(例えば政治や歴史の話)は英語じゃないと理解できないようです。何人かはアメリカのパブリックスクールの中にある韓国語のクラスに通っていて移民してもう10年以上になるのに英語があまり話せない子もいます。もう彼らは韓国に帰れない状況にある訳なんですね。でも帰国子女の人達って一度外国に行って帰って来れる訳じゃないですか。そういう意味でとても幸せなんじゃないかと思います。
最近意味もなく「留学しよう!」とか「海外で就職しよう!」とかいう本をいろいろ見かけます。そして海外に移住したい、日本から逃げ出したいといった日本人が余りにも多いような気がします。
帰国子女や(英語圏の人達以外の)外人を受け入れられないのにどうして日本の事を悪く言い、海外に逃げ出そうとするのでしょう。
アメリカならば受け入れてくれる、オーストラリアなら永住権を取るのが簡単! という意見もよく聞きます。
帰国子女の方達って海外で暮らしていた日々を無駄にしないように前に向かって頑張っていると思います。そして海外に逃げたってどうしようもない事も一番知っていると思うんですよ。だからこそ日本で国際的な架け橋として頑張って欲しいです。
私は日本と韓国が大好きです。でもどちらの国も愛せない時がたまにあります。でも私も私なりに国際的な架け橋になりたいと小さなころから願っているのです。
| 「不幸比べ」をしたくないから、この文章の底にある明るさが好きだ。最終的に人は人として自らの「私情」を背負わなければならないとぼくは思う。 そのあり方を、さらに問いたい。 |